vol4.所長の告白
藤間 袴(とうま はかま)。埼玉県春日部市牛島出身。彼女は7人兄弟の末っ子と
して生まれ、そして、秋の七草の一つ【藤袴(ふじばかま)】に因んで名付けられた。
今、彼女は一週間前の出来事を振り返っていた。所長に対して思わず自分の疑念
を口にしてしまったあのときの事を...
「所長はステテコを世界へだの何だの言って、こんな研究所まで立ち上げておいて、
けど、本当は何の計画性も無い、勢いだけなんじゃないですかっ!?」
本心では自分の疑念を強く否定してもらえることを期待していた彼女にとって、その
時の所長の返事は衝撃的であった。
「トウマ、君の言う通りだ。」
「え、ええっ!」
「確かに私には君を納得させられるような大した計画性も無いし、はっきり言わせて
もらって、ほとんど勢いだけだ。」
「え、ええぇっっ!!」
「君が驚くのも無理ない。私も今、再認識することで少し驚いているくらいだ。」
「・・・・・・」
「モチロン、私もこんなにまで計画性が無いままにこの研究所設立を進めていいもの
なのか、一時期 真剣に悩んだことはある。」
「じゃぁ、じゃぁなんで その時に中止にしなかったんですか!?」
「それでも、やらなあかんと思ったからやんか!計画性は無くても、成し遂げたいこと
はある。とにかく動き出してみるべきだと思ったからじゃねぇか!このやろぅ!」
関西人?江戸っ子? 熱くなった所長の言葉使いはヘンだった。(続)






