___そして、今回はプラスプロダクトとしてなんと、キッズステテコをデザインしていただきました!
石岡紗佑里(以下S):子供用を作るに当たって、自分たちの中で色々とお題を作っていて。例えば、ステテコの生地の良さをどうしたら感じてもらえるかな?とか。子供はやっぱり着心地が大事、自分で着たり脱いだりが楽にできることとか。そうしたら、後ろ前とかいう感覚が無く着れて、着ることを自由に楽しめたらいいなと...。肌着としても、外にも着ていけて、尚かつ、無駄な裁断をしない方法で。あと、男の子も女の子も着れるようにと、たくさん欲張って考えました。
石岡良治(以下R):そうだね。それと、自分たちが一番最初にステテコを履いたときに、自分たちの子供も小さいからかもしれないんですけど、直感的にこれの子供服だったら良いなってすごく思いました。
___去年そうおっしゃっていただいたので、今年はエナメルさんにぜひ子供服を作っていただこうと思ったんです。
R:親の立場からすると、大手海外ブランドの子供服を値段的にも選ぶことが多くて、保育園とかで子供が集まると同じ服着てる子が多くてなんかつまんないなーと思ってて。そんなにそのブランドが好きな訳でもないのに、他に無いから買ってるみたいなのが...。そういう意味でも、メイドインジャパンのステテコの子供服があって、それを着てくれたりしたら、日本の夏の風景としていいだろうなあとすごく思って。
S:うちの子供が小さい時に、ちょうど手ぬぐいで子供服を作っていたので、ステテコの素材でもきっといいだろうなって思ったんです。
R:そうそう、あれすごく評判も良かったんだよね。あの服を着ているおかげで可愛いとか言われて(笑)
___洋服の力って偉大ですね(笑)
S:ものすごいやんちゃだったんですけど一応かわいい部類に入れてもらえるみたいな。
R:暑くて機嫌が悪くてじたばた泣き叫んでても、親もあんまり怒れないなーと。
S:そうそう(笑)
___ええー!すごい、魔法のような服ですね。
S:私も、例えばすごく小さい時とかは、洋服にしっぽとかついてるとこの子は動物的感覚だから泣くんだとか、それなら仕方ないなあって許されるような気がして。ホントに洋服の力に助けられていました(笑)
R:電車の中でどうしても飽きて泣いちゃうらしくて、周りにはやだなと思うお客さんも居て。けどその泣いて床でワーってやってる子供の姿にしっぽがついてるだけでなんだか許せるみたいな気持ちになるところがあったって彼女が言ってて。
S:そうそうそう、皆微笑ましく見てくれてて。
___すごいアイデア!
R:そういうことで周りの場の対応が変わるって言うことに、あぁなるほどなあって僕はすごく思いました。確かに、必要の無いはずの衿とか、ちょっとギャザーが寄ってるとか可愛くしてあげることでもうしょうがないなあってなるかなっていう。
S:まあ、あんまりキャラクターっぽく、マスコットっぽくしてしまうのもどうかなって思うんですけど。
R:そうそう、そこはあざとくなくやりすぎず。
___ああ、そこはやっぱり"斜めに"なんですね(笑)エナメルさんならではのさじ加減ですよね。デザインの話に戻りますが、この前後ろで柄が違うっていうのが、すごく面白い発想ですよね。
morning & night day & evening
R:後ろ前に着れるとかバリエーションを楽しめるとかっていうともっともらしい言い方になっちゃうんですが、今日は前にしよう、とか適当な感じがいいかなって思っています。
S:そう、子ども自身が自分で着て、自分で選ぶ感覚を楽しんでもらえたら嬉しいなあって。
___で、周りから見ても洋服が可愛いから許されちゃうみたいな。一石何鳥にもなりますね!
ところでこのステテコ、やっぱり家族で着て欲しいですか?
R:うん、それはもうすごく嬉しいですね。そして家族で外に着て行って欲しいですね。公園に一緒に行ってとか。
S:お祭りにもね。
___最後に、ステテコはまだまだいろんな切り口があって、そこが難しいところでもあり楽しいところでもある、とっても可能性を秘めているものだと思っているのですが、エナメルさんにとってステテコの魅力はどんなところですか?
R:やっぱりその可能性じゃないでしょうかね。ステテコの今までの良さはもちろん、それをどういう風に皆に解釈してもらえるかっていうところで。今は外にも履いていけるようにもなり、従来どおりアンダーウエアでもあり。日本人にはもともと、善くも悪くもステテコのイメージがあってその上で楽しんでもらっていると思うんだけど、海外だとその先入観が無い分、また違った解釈になるんじゃないかなあと思うんで。いずれ、海外に出て行ったときのステテコがなんか楽しみですね。それでステテコが日本の代名詞として認知してもらえたら嬉しいですよね。
___今日はお話をたくさん聞けて楽しかったです。どうもありがとうございました!