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研究本部 開発日誌

須藤玲子さんインタビュー(1)

[Art&Steteco PROJECT]参加アーティスト・インタビュー<第3弾> 

NUNO WORKS 須藤玲子さ

 

 

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NUNO WORKSさんは、"株式会社 布"から、2002年にスタートしたブランド。様々な捺染技法を駆使し、熟練の職人さん達との恊働により、色鮮やかな布地を制作されています。そしてその独創的なテキスタイルの数々は、六本木AXISビルにある直営店で販売されています。日本には、古くから培われた豊かな技法を持つ、テキスタイル(染織)の産地が数多く残っていて、NUNO WORKSさんは、そうした日本の産地にこだわり、古くからの技法、新しい素材、新しい技術を組み合わせ、布づくりをおこなっています。

 
 

___2010年の[Art&Steteco PROJECT ]に参加していただいたアーティストさんの方々へのインタビューもいよいよ今回で最終回となります。トリを飾って頂くのは、株式会社 布の取締役であり、ニューヨーク近代美術館を始め、海外の美術館に作品が永久保存されるなど世界的な評価も高い、テキスタイルデザイナーの"須藤玲子"さんです。どうぞ宜しくお願い致します。

 
 

はい、今日は私がNUNO WORKSを代表してお話しします。

 

___NUNO WORKSさんのパターンデザインは全て、スタッフの皆さんが全員、"手で描く""手で作る"ことにこだわっていらしゃるそうですが。

 

テキスタイルも今は、大量生産でつくっていると考えられることがすごく多くて、例えば型があって機械的にガシャガシャ出てくるように思っている人が多いんです。Tシャツなんかも、数百円で売られていると、それを人間が縫っているっていう感覚に繋がらないんじゃないかと思うんです。けれど、実際は人の手を使って、ミシンで1枚1枚縫っているんです。本来、テキスタイルはそういうもの。反対に、"手じゃない"ということは、手を煩わせないでできるような効率的な物づくりっていうことなので、それは向かっていくマーケットが非常に大きいですよね。私たちが向かっているのは、もっと小さいスケールです。デザイナーが全員、店に出るっていう、すごく単純なことをやっているのですが、それってテキスタイルを作る我々が、お客さんと直接会って話すから意味がある、非常に理想的な話なんです。かつての日本の商売は皆そんな風に、素朴にやっていたように思います。お店をオープンする時、有機栽培の泥つき大根みたいなものを作りたくってスタートしたんですよ。自分たちで抜いてきて、どういうところで育って、どんな肥料を与えて、こういう風に育てたんだって説明できるような。私達が売っているテキスタイルは泥付き大根なんです。

 

__今回のsteteco.comとのプロジェクトの、どんなところに魅力を感じていただいたんですか?

 

そうですね...。やっぱり、日本の生活に寄り添ってきた、季節を楽しむ様々な知恵だと思うんですよね、ステテコって。昔はクーラーなんて無い訳だから、どうやったら涼しく過ごせるかとか、必死に考えた訳でしょう。そういうアイテムはまだまだいっぱいあって、その一つだと思うんです。ステテコっておじさん用品の代名詞みたいになっていたけれど、本来は夏を快適に過ごす知恵のある素材であり、カタチなんだろうなと。そこに今の時代感覚を加えたのが、まさに、steteco.comというネーミングにとてもよく現れていると思います。ユーモアとセンスがあるんだと思う。それから、時代を読み取る力、っていうことなんじゃないかな...

だから、魅力は絶対このネーミング!それと、ステテコの持っている機能と素材の力なんじゃないかなと思います。

 

___光栄です。ありがとうございます!

 

あと、私自身はステテコの素材"高島ちぢみ"にとても興味があった。生バタの時は平坦なのに、仕上げるとぎゅっと縮む。その縮みを計算する、経験を積んだ熟練技術者の方々の勘、みたいなものが必要だと思うの。だから、その方々がどういう風に我々の描いた絵をカタチにしていくかっていうところも非常に興味があって、そのプロセスにドキドキしたし、面白かったですね。

 

___須藤さんはsteteco.comのことはご存知でした?

 

ええ、よく知ってましたよ。とにかく、steteco.comっていうネーミングがとってもいいし、デザインがすごく優れていると思っていたんです。

 

ステテコって、私の世代だと、植木等のイメージなのよね。夏のおじさんが着ている姿っていうの?白いクレープのステテコに、だぼシャツで腹巻を巻いて、足元は雪駄か下駄で、うちわを持って。で、やっぱり縁台に座っている、そういうシーンが、"ステテコ"って聞くとすっと浮かぶ世代なの。私が子供の頃は近所のオジサンとか、夏になるとみんなその格好してるわけ。その頃の日本人の男性はね、きっとバミューダ感覚で履いていたんだと思うの。もう当たり前のようにね。ああ、また夏が来たぞって。お祭りなんかでも必ずそういう人がいたし。非常にカジュアルでリラックスした感じでしたね。
 
 
 
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___ステテコは恥ずかしいものではないと?

 

私なんかの世代だと、"ステテコ=○○"っていう像がぱっと浮かぶんだけど、たぶんそういう像を見たことが無い人たちにしてみれば、今、別にステテコが市民権を得て何が悪いっていうのはあると思いますよね。時代とともに機能が変わってきて、それこそ、今はキャミソールとか、ブラジャー姿で外を歩いている人だって居るわけじゃない? steteco.comさんはそういう昔の、(植木等的な)いいかげんなスタイルではない、ステテコの在り方があるんじゃないの?っていうことを革新的にやってるんだと思うんですよね。それを実はみんな、待ち望んでたんじゃないのかな。

 

ホントにこう...着物を辞書で引いたら"KIMONO"ってインターナショナルワードになったようにステテコも辞書を引いたら出てくるっていう、そういう形で国際的なポジションを確立してくるんじゃないかなと思います。

 
 

須藤玲子さんインタビュー(2)に続く

 

 

 ■steteco.com[Art&Steteco PROJECT]  http://www.steteco.com/asp2010/

■NUNO WORKS http://www.nunoworks.com/index.php

 
 

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