高島ちぢみ・産地の今(月刊ステテコ 12月号)

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©Ryu Itadani
©Ryu Itadani

今月の絵 「Lake Biwa」  by Ryu Itadani

高島ちぢみ・産地の今

今年最後の月刊ステテコでは、高島ちぢみ産地の現在の状況を、本庄織布有限会社の本庄剛さんにお聞きする機会をいただきました。

本日はありがとうございます。冬らしい寒さの日が続いてますが、高島地方の今年の冬の天気はどうでしょうか?
ステテコ
ステテコ
本庄さん(以下 本庄)
本庄さん(以下 本庄)
ここへ来て比良山系も雪で白くなってきて、寒さに納得する毎日です。先週末には平地でも雪も降りました。

比良山系に降る雪の雪解け水がいずれ伏流水となって、高島ちぢみの加工にも使用されるということを考えると、冬は冬らしい天気なのが一番ですね。寒いですけど笑  では本題に入らせていただきますが、高島ちぢみの産地の現在の状況はいかがでしょうか?
ステテコ
ステテコ
本庄
本庄
弊社に関してほぼ例年並みの受注いただいています。年明け2月~3月の予定は昨年が受注減した商権が今年は取り組まれたり夏物パジャマ用途が動きだしています。高島晒も年内の加工はいっぱいですよ。
コロナ禍の影響というのはありますか?
ステテコ
ステテコ
本庄
本庄
はい。家の中で過ごすことが増えた影響か、快適素材である高島ちぢみの認知度が上がっていると感じています。個人の方から販売の依頼があったり又、製品がどこで売っている等のお問い合わせが増加しましたね。
それはいい傾向ですね。逆にコロナ禍の負の影響と感じる点はありますか?
ステテコ
ステテコ
本庄
本庄
コロナ禍の世界規模の混乱の中、綿糸等の原材料の高騰や在庫薄が懸念されます。特に為替の影響もあり、原材料の高騰基調が頭痛いですね。
ところで最近 いろんな商品、分野で「環境」をテーマにしたものを目にすることが多くなりましたが、高島ちぢみとして、もしくは本庄織布さんとして取り組んでおられることはありますでしょうか?
ステテコ
ステテコ
本庄
本庄
元々、天然素材・天然由来素材を使用する事がメインですので、そのこと自体が環境に配慮しているともいえるかと思います。その他、想いとしては色々あります。オーガニックコットン商材の提案と開発にももっと力をいれたいですし、リサイクルコットン等リサイクルの素材を用いても作りたいと思っています。
なるほど。中でも特に力入れているものはありますか?
ステテコ
ステテコ
本庄
本庄
近年は和紙混の高島ちぢみを試作開発のテーマにあげて力をいれています。
和紙混ですか!
ステテコ
ステテコ
本庄
本庄
今年から琵琶湖に生えている葦がりに参加してまして、刈り取った葦を和紙に練り込み作った糸を使用して高島ちぢみを開発中なんですよ。
琵琶湖沿岸に生えている葦
琵琶湖沿岸に生えている葦

 

琵琶湖の葦を刈るところ
刈った葦を束ねていく
とても面白い取り組みですね。琵琶湖の葦にそういう活用法があったんですね。
ステテコ
ステテコ
本庄
本庄
葦は日よけのすだれや農業用の肥料等としても、以前から活用されてきたものなんですよ。
そうなんですね。
ステテコ
ステテコ
本庄
本庄
琵琶湖沿岸の葦は鳥や魚のすみかとなり、琵琶湖の持続性と環境保全に活躍しています。成長した葦の地上部を冬に刈り取り、また次の成長につなげるという意味合いもあるんです。
なるほど。その琵琶湖の葦を使った和紙混の高島ちぢみでステテコドットコムでも商品を試作してみたいです!
ステテコ
ステテコ
本庄
本庄
是非!
最後に、本庄さんは今年 本庄織布さんの3代目の社長として就任されましたが、今の想いをお聞かせください
ステテコ
ステテコ
本庄
本庄
やはり、一番は高島ちぢみを今後も生産可能な体制を維持したい気持ちが強いですね。でも、実際 例えば糸の撚りの工程など、年配の方に頼っているのが現状なので、産地として生産可能な体制を維持するには難題が多いのも事実です。その辺りも含め、色々方向性を考えながら頑張っていきたいと思っています。
ステテコドットコムとしても微力ながら、産地の活性化につながるよう頑張ります。本日はありがとうございました!
ステテコ
ステテコ

 

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