新工場稼働から1年。ステテコ工場長独占インタビュー(月刊ステテコ 1月号)

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©Ryu Itadani
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今月の絵 「Factory」  by Ryu Itadani

新工場稼働から1年。ステテコ工場長独占インタビュー

今年最初の月刊ステテコでは、2020年秋から稼働した大分県国東半島に位置するわたしたちの新工場の現状況について野上(のがみ)工場長に話を聞いてみることにしました。ステテコドットコムの衣料品は全てこの自社工場で縫製されています。ステテコドットコムの母体である㈱アズの国内主力工場であり、製造部門を担うグループ会社、株式会社サンクローバが運営しています。

本日は宜しくお願いします。今年の国東半島の冬の天気はどうでしょうか?
ステテコ
ステテコ
野上工場長(以下 野上)
野上工場長(以下 野上)
こちら国東地方は九州ですが意外と雪が降りやすいんです。ここにきてかなり冷え込みが厳しくなってきてまして、積雪の影響で工場を臨時休業にしなくてはならない日もありました。
今年の冬は大分でもしっかり寒いんですね。さて、早速ですが2020年の11月に、国東半島にあった2工場の統合という形で国東半島内の別の場所に新工場が発足して1年強が過ぎました。 新工場の現在の状況はどうですか?
ステテコ
ステテコ
野上
野上
同じ国東市に位置している2つの工場でしたが、それぞれの工場で生産している商品も違いましたし、業務の進め方や習慣にも微妙な違いがあり、最初は自分も含め、社員の方々にも正直戸惑いがありましたね。
戸惑いですか。
ステテコ
ステテコ
野上
野上
はい。でも、この1年間、社員の交流や現場での調整により、これらの解消に努めた結果、現在では全員が新しい環境や新工場としての統一した業務の進め方にも慣れ、一体感や統合のメリットが発揮できるようになってきたと感じています。

例えばどういうことですか?
ステテコ
ステテコ
野上
野上
具体的な話としては小さいことの積み重ねになるのですが、例えば縫製の際に使う糸や付属資材の管理方法について、2工場ではやり方が違ったんです。
どう違ったんですか?
ステテコ
ステテコ
野上
野上
片方の工場では生産効率重視で糸や資材をそれぞれの縫製ラインの近くに置いてあったのですが、もう片方の工場では管理重視で縫製ラインと少し距離があるところで一元管理していました。それを互いに話し合って、一元管理はするけど生産効率が落ちないように工夫することにしたんです。
なるほど、お互いの良いところをとって新しいやり方にしたんですね。ちなみに、新工場に関して、地元の方からの声などありますか??
ステテコ
ステテコ
野上
野上
私が担当していた旧工場は1968年操業で築50年を超えていましたから、そのイメージで新工場を訪ねてこられた方は綺麗な工場をみて驚かれます笑  国東市からも新工場建設の際から指摘や助言を頂いたり、市をあげて種々の対応をしていただいておりますし、近隣地域の方々にも工場建設中からご理解を頂き、好意的・協力的に接していただいてます。
新工場外観。屋上には太陽パネルが設置され、自家発電で工場の総電力使用量の大半をまかなう
それは有難い限りですね。さて今年の春夏に向けて、これからステテコドットコム商品の生産が始まっていきますが、何か工場側からリクエストやクレームはありませんか?「生産数量が細かすぎる」とか??
ステテコ
ステテコ
野上
野上
それはもう慣れましたよ(笑) でもステテコドットコム関連商材に関しては、品種が多岐にわたってますので、自分たちにとっても新しい技術、生産手法への取り組みや工夫が必要なアイテムもあり、工場としても経験値のUPになっている部分はあるんですよ。
そう言ってもらって、少しホッとしています。  さて、日本で流通する衣料品の97%以上が海外製とも言われている昨今、国内で縫製を続けるということにどういうところに価値を見出していくべきだと思ってますか?
ステテコ
ステテコ
野上
野上
海外生産における量産品とは一線を画した『日本製だからこそのものづくり』を追求してゆくことは当然の事ですが、国内生産だからできるような、小ロット・短サイクル生産にも対応できる生産体制の構築に挑戦してゆくべきだと考えています。
ステテコドットコムとしてはこれまでも、そしてこれからも例外無く全商品日本製でいきますので是非、そのあたり、今後も色々と相談させてください! 最後に、新工場の工場長になられていかがですか?思いや目標など、もしありましたらざっくばらんにお聞かせいただければと思います。
ステテコ
ステテコ
野上
野上
今、新工場の中心になっているメンバーは私も含めて年齢が総じて高いんです。でも、アズの国内生産拠点の自社工場として今後も10年 20年と継続していかないとならない。これまで長年やってきた技術をしっかり次の世代に継承していかないといけない。その為に現場力をつけるために若い人に教えていってます。
縫製のことをですか?
ステテコ
ステテコ
野上
野上
縫製もですが、縫製だけではありません。ミシンの保全も縫製工場にとっては品質にも関わるとても大切なことですが、ミシンの保全を何十年とやってきたベテランがいるのでその技術を現場で若い人にマンツーマンで教えていってます。次の世代を育てることで、今後も国内でしっかり工場が稼働する形というのを頭に描いて運営していきます。
本日はありがとうございました。引き続き宜しくお願い致します!
ステテコ
ステテコ
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