

今月の絵『エメラルド寺院』 by Ryu Itadani
ステテコ・ザ・ワールド! 常夏のバンコクでJAPAN SELECTION 2026に参加してきました(月刊ステテコ3月号)
2026年を迎えたばかりの1月28日と29日の2日間、タイの首都バンコクで開催された「JAPAN SELECTION 2026」という大きな展示会に参加してきました。
そもそものきっかけは、2023年にTIMELINEさんでクラウドファンディングを実施した際、俳優の松重豊さんが全国のものづくりの現場を訪ねるドキュメンタリー「松重見聞録(*1)」として大分県国東市にあるステテコ工場を訪れてくださったことに始まり、そのご縁から今回の出展の機会をいただきました。

JAPAN SELECTION 2026の開催を知らせる巨大な街頭看板に載る松重さん
*1 松重見聞録とは、俳優の松重豊さんが全国のものづくりの現場を訪ねるドキュメンタリー番組。クラウドファンディングを展開しているTIMELINEで配信されています。
日頃から虎視眈々と海外進出を目論んでいた私たちは、まさに絶好の機会とばかりに、ワクワクとドキドキを抱いて現地へと向かいましたが、やはりそこは旅先。海外ならではのハプニングから幸運な出会いまで、たくさんの出来ごとが待っていました。今回の月刊ステテコではそんな旅の一部をご紹介したいと思います。

1月27日(火):サワディーカップ バンコク!展示会前日
成田空港発のフライトが朝便だったこともあり、旅に慣れていない私たちは約7時間のあいだ飲まず食わずのうちに現地時間の14時過ぎにバンコク・ドンムアン国際空港に着陸。設営が始まる16時まで時間がないので、とにかく一息つくのは設営を終えてからということにし、Googleマップと野生の勘を頼りに電車を乗り継ぎ、市街へと向かいます。
会場はバンコク随一の超大型ショッピングセンター「サイアム・パラゴン」の5Fにある「サイアム・ホール」という巨大空間。汗だくでスーツケースごと転がるように到着し、受付で関係者パスをもらおうとするものの、ステテコドットコムだと言って名刺を見せても、なかなか伝わりません。どうしたものかと困っていると、「アー…マツシゲ?」と聞かれたので「イエス!」と言うと無事にパスをもらえました。会場内のブースにはTIMELINEのスタッフや他の参加企業の方々がすでに作業中でした。
今回、「松重見聞録 The Travels of Yutaka Matsushige」ブースには、ステテコドットコムの他に下記の3社が出展。時間と共にどんどん仲良しになっていきました。
・「華月(かげつ)」さん:四日市市でおどろくほど美味しいお米が炊ける土鍋などを手がける窯元。
・「HUIS(ハウス)」さん:貴重となった遠州織物のテキスタイルを世界に発信するリアルクローズブランド。
・「HERZ(ヘルツ)」さん:職人の情熱と知恵を結晶化させた日本レザークラフト界の重鎮。1973年創業の革鞄工房。
2時間ほどの作業で無事に設営を終わらせ、会場を後に。外の出ると煌々とした看板が埋め尽くすハイパーなネオン街と化していましたが、疲労感に負けて屋台散策はせず、ホテルでぐっすり休みました。

1月28日(水):ピーさんありがとう。展示会1日目
さて会場はこのような感じなっております。JAPAN SELECTION 2026は“オールジャパンで開催するB2B向け大規模見本市”ということで、私たちのようなアパレルや雑貨は少なく、水産物や畜産物、加工食品や調味料、お酒などといった日本の農林水産物関係の出展がメインでした。タイでの日本食人気は目を見張るものがあるそうです。
そんな国際見本市の現場では言葉が重要になりますが、各ブースにはタイ人の通訳さんが常駐してくれるので安心してプロモーションができます。ステテコドットコム担当のピーさんはとってもまじめでおだやかな好青年で、別れが惜しくなるほど大活躍してくれました。
開場時間は10:00~20:00となかなかの長丁場でしたが、ひっきりなしに在タイのバイヤーさんがブースを訪れてくださり、ステテコもかなり好評。「これはジャパニーズ・トラディショナルのコットンチヂミで~」などと細かく説明するよりも、直に触っていただいた方がずっと早いという単純なこともわかりました。

1月29日(木):ちょっとだけバンコクを知れた展示会2日目
朝9:30。この日もホテルからラーマ1世通りを歩いてサイアム・パラゴンへ。現地の出勤時間と重なるのか、それとも常時渋滞エリアなのか、とにかくすごい交通量。どこを向いても眼前には車とバイクと屋台、頭上には巨大建築の間をコンクリートの高架鉄道と支柱がクネクネ。

二日目は少し余裕も出てきたので、ランチ時間を利用して付近を歩いてみることに。サイアム・パラゴンのあるエリアは絵に描いたような大都会でしたが、たった15分も歩けば平凡でローカルな生活空間が横たわっていることがわかり、都市開発の歴史をギュッと縮めたような光景に目が奪われます。

夜はすっかり仲良くなった出展者とTIMELINEのみなさんとで食事に。(ナッツアレルギー持ちの私のせいもあり)私たちはほとんどタイ料理らしいものを堪能できなかったのですが、この夜に食べた「プーパッポンカレー」は内臓がひっくり返りそうになるくらい美味しかったです。カレーといってもまったく辛くはなく、ふわふわの卵とカニの身をカレー粉で炒めたものなのだそう。

1月30日(金):あっという間に帰国日
帰国便のフライトが午前のため朝早くにホテルを出発。すでに若干の土地勘が芽生え、Googleマップにも表示されない裏路地を迷わず歩き、ストレスなく電車を乗り継いで、ドンムアン国際空港に到着。ほとんど空港とホテルと展示会場だけの滞在で、ワット・ポー観光もムエタイ観戦も足マッサージも屋台の食べ歩きも叶いませんでしたが、それ以上にブースでの時間はとても貴重な経験に。

常夏の国、タイの人々は高島ちぢみでできたステテコの肌触りに押し並べて好反応で、会場でお話しした限りでは価格帯としても問題はなさそう。幾人かのバイヤーさんとインターナショナルなお仕事に発展するかもしれない種を蒔いてくることもできました。さらに「松重見聞録」チームとして華月さん、HUISさん、HERZさんとご一緒できたのも楽しかったです。

渋滞緩和を目的に誕生した高架鉄道BTS(バンコク・スカイトレイン)
ステテコは江戸時代後期、日本の高温多湿な夏を快適に過ごすための生地作りに由来しますが、肌が喜ぶことに時代の古今や、国の東西は関係なく、ひと手、高島ちぢみに触れたのサラリとした感触は、間違いなく世界で通じるものだと確信しました。
貴重な機会を結んでくれたTIMELINEのみなさんと松重さん、一緒に出展した「松重見聞録チーム」のみなさん、通訳のピーさん、JAPAN SELECTION 2026の関係者のみなさまにお礼を申し上げます。