第1回 ステテコ工場へ初潜入
photography & text by Tomohide Tani
*本連載は大分県国東半島出身の写真家・谷知英氏によるステテコ工場「サンクローバ」への潜入および同地の魅力あふれる自然環境や生活文化にまつわる渾身のルポタージュです。
調査報告:2026年10月14日。 「ステテコドットコム」の商品がどのように作られているのか――その謎を解き明かすべく、大分県国東市(くにさきし)にあるステテコ工場へ潜入調査を敢行した。
「サンクローバ」……どこかで聞き覚えのある名前だ。そうだ、実家の近くにあったあの工場の名だ。まさか、ステテコドットコムの製品を手掛けていたとは。しかも2020年に新たな工場が誕生していたのだ。

いざ、潜入開始。 入口にはステテコドットコムのポスターが掲げられている。生産現場はここで間違いない。清潔感あふれるエントランスを抜けると、いくつものミシン音が響いてきた。


奥を覗き込むと、そこには端が見えないほどの広大な作業スペースが広がっていた。職人たちが素早く、そして丁寧にミシンを走らせる手さばきは、見ていて実に清々しい。

整理整頓が行き届いた道具入れを発見。誤作業や紛失を防ぐための見事な工夫が凝らされている。見たところ、現在は冬物の縫製が行われているようだ。

その時、現場に緊張感が走った。急遽、出荷を急ぐ必要が生じたらしい。私は新工場から梱包工場へと向かう移送車を急追した。


車で走ること約7分。辿り着いた先にあったのは、まるで木造校舎のような建物だった。先ほどの近代的な新工場とのギャップがすさまじい。まさかこのようなノスタルジック漂うな空間で梱包作業が行われていたとは……。

次々と運び込まれる商品たち。異物混入がないか、専用の機械で一枚一枚入念にチェックが進む。検査をクリアした製品は、職人の手で一つひとつ丁寧に梱包されていく。

道中、工場長に声をかけられ「潜入発覚か!?」と身構えたが、親切にもステテコの成り立ちについて熱く語ってくれたのだ。全国の人々が愛用するあのステテコが、この国東の地から世界へ発信されていたとは……地元民として誇らしい気持ちが胸を満たす。
今回はまだ本格稼働前だったため全容解明とまではいかなかったが、確かな手応えと新たな手がかりを得ることができた。
それでは、次回の調査報告でお会いしましょう。
<谷知英プロフィール>
1984年 国東半島生まれ。23歳の頃にUターンし、保育士として勤務する傍ら子どもたちの記録写真を撮り始める。2012年の国東半島アートプロジェクトを契機に、様々なアーティストたちと関わるようになる。「日常と非日常の境」をテーマに故郷を撮り始め、2018年よりフォトグラファーとして独立。
Instagram : @tanishiru
