ラクダとドラゴン(月刊ステテコ1月号)

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@Ryu Itadani
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今月の絵『ラクダ』 by Ryu Itadani

ラクダとドラゴン(月刊ステテコ1月号)

2024年となりました。

今年のステテコドットコムは春と夏の「ステテコ」、そして秋と冬の「ラクダ」という二枚看板を掲げ、粉骨砕身でがんばっていきたいと思います。

「ラクダ」というのは、かつて世のお父さんたちに溺愛された肌着のことですが、ステテコドットコムにとって大切なものづくりの原点のひとつでもあります。これまであまり語る機会もありませんでしたので、新年はあらためてその「ラクダ」のお話から始めさせていただきたいと思います。

—そもそも「ラクダ」はメリヤス編みの肌着のこと—

時代をさかのぼること70年ほどの昭和の中頃。戦後の高度経済成長期で一般庶民の暮らしがどんどん豊かになっていく中、和装は洋装へ、衣類は家で作るものから店先で買うものになり、女性はワンピースを着てスカートを穿き、男性はスーツ姿のモーレツサラリーマンと化していきました。

若者を中心としたファッションスタイルの変化に伴い、衣服に用いられる生地にも進化が現れます。特に伸縮性に富む「メリヤス」の戦後の一般層への普及は、靴下や下着類をはじめ、日常着の快適性を大きく向上させました。

軽くて動きやすくて温かい「メリヤス」が日本各地でどんどん生産され、セーターもすっかり大衆化したその頃、冬の寒さからお父さんたちを守っていたのは、他でもない「ラクダ」と呼ばれるメリヤス編みの肌着だったのです。

―ラクダの転換期―

「ラクダ」はその名の通り、はじめこそ実際にラクダの獣毛が用いられていたものの、徐々に供給が追いつかなくなり、似た性質を持つ羊毛を混ぜたり代用したりするようになっていき、やがて「ラクダ」という愛称だけがそのまま残りました。

さらに化学繊維も飛躍的に広まり、今日ではさまざまな冬の衣料用素材がありますが、「ラクダ」の温かい機能や着心地の良さは今なお健在です。その実力をよく知るステテコドットコムは、世の移ろいの中で仕方なくファッション性だけが色褪せてしまった「ラクダ」を、なんとかしてもう一度輝かせてあげたいと、願って止みません。

—今年はラクダにとっても縁起が良い年—

奇しくも今年は辰年。「龍(ドラゴン)」は十二支の中で唯一、想像上の生き物で、いろいろな動物の要素を併せ持ちますが、その頭は「ラクダ」だとも言われており、「ラクダ」復興を目指す私たちにとって非常に縁起の良い年です。

ステテコドットコムは日本のものづくりに誇りを持ち、今年も自然と仲良く快適に過ごせるようにものづくりを楽しんでいきたいと思います。

本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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